Oishii Farmと世界大手の産業用ロボット企業「安川電機」が植物工場の完全自動化に向けた資本業務提携を発表
米国を拠点として活動するOishii Farm(本社:Oishii Farm Corporation)は、2023年5月30日、世界大手の産業用ロボット企業、株式会社安川電機と資本業務提携を行いました。本協業により、Oishii Farmの植物工場の完全自動化を実現。生産コスト削減と安定生産により事業は世界規模でスケールアップし、よりサステナブルな農作物の生産が可能になります。
5月30日、ニュージャージー州に本社を置き、世界最大のいちごの植物工場を運営する農業スタートアップOishii Farmは、産業用ロボットのリーディングカンパニーである株式会社安川電機と戦略的パートナーシップを締結しました。両社は、植物工場における自動化の最適化と生産量の拡大を図るため、新たな自動化ソリューションを開発していきます。
Oishii Farmはその序章として、今後建設予定の植物工場に安川電機の産業用ロボットを導入していく予定です。安川電機の産業用ロボットと、Oishii Farmが誇る最先端技術を駆使した植物工場の融合により、農作業全プロセスの完全自動化へと前進し、生産コストの削減と安定生産が実現されます。
Oishii Farmが提供するいちごの需要は、現在も世界中で高まっています。植物工場の完全自動化が実現されることで、大きな需要に応えることができるようになり、世界規模で事業のスケールアップが加速していきます。
オープンイノベーションによる植物工場の完全自動化がもたらす、サステナブルな農業へのパラダイムシフト
Oishii Farmは、2022年5月に74,000平方フィート以上の広さを誇る世界最大のいちごの植物工場「Mugen Farm」をオープンしました。この農場では、同社の初期農場と比較してエネルギー使用量が60%、水の使用量が40%削減されています。
安川電機の最先端技術と、Oishii Farmがこれまで開発してきた独自の作物管理アルゴリズム・環境制御・エネルギーのモニタリングシステムなどのノウハウが組み合わさることで、作物・エネルギー・水の無駄を削減することができ、これまで以上にサステナブルで効率的な新しい農業の未来を実現することができます。
世界の農業に新たなスタンダードを
Oishii Farmはこれまで、日本の種苗や農業技術を駆使し、少ない土地と資源で農薬を一切使わず、世界中のどこでも通年でいちごを量産出来る技術を開発してきました。そして2022年6月には植物工場の大規模化により、手にとっていただきやすい価格にすることで、それまでミシュランの星つきレストランなど一部にのみ提供していたいちごを、アメリカの大手高級スーパー「ホールフーズ」で販売開始するまでに至りました。
本協業は、そのネクストステージです。安川電機と共に自動化を加速させていくことで、Oishii Farmが目指す「美味しい果物・野菜を世界中の人々がいつでもリーズナブルに食べられる世界を実現する」というミッションへ向けた大きな一歩を踏み出します。
Oishii Farm 共同創業者兼CEO 古賀大貴のコメント
安川電機は産業用ロボットの分野で世界を牽引するリーディングカンパニーの一つです。最新のソリューション・製品によって世界の課題を解決できると信じ、日夜品質を追求し続ける安川電機の姿勢は、我々Oishii Farmの信念と重なります。
技術革新を推し進める世界的な企業が“農業の未来を変える”という我々の使命に賛同してくださり、本協業に至ったことを光栄に思っています。Oishii Farmはこれからも、より多くの人々にクリーンで美味しい野菜や果実をお届けするために、農業のパラダイムシフトを加速させていきます。
会社概要
Oishii Farm
Oishii Farmは、日本の伝統技術である施設園芸を活かした植物工場で、世界中の人々に日本最高品質の農作物を届けると同時に、日本初の技術で新たな世界産業を創出することに挑戦する会社です。
栽培サイクルが長く最も高度な農作物と言われるいちごを、ハチによる自然受粉を用い、世界で初めて安定量産することに成功。自然とテクノロジーを融合させながら、雨・空気・熱・光・栄養といった要素を植物にとって最適な条件で再現し、年間を通して、旬の果物を消費者向けにお届けすることを可能にしました。
2022年6月には、アメリカ大手の高級スーパーマーケット「ホールフーズ」での販売がスタート。マンハッタンを中心に25店舗まで展開しており、今後も工場を増設して供給量を増やすことで、更なる地域拡大を目指しています。
株式会社安川電機
安川電機は1915年に北九州市(福岡県)で創業。「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、1960年代後半には“メカトロニクス”のコンセプトを世界に先駆けて提唱しました。現在は「モーションコントロール(サーボモータ、インバータ)」「産業用ロボット」「システムエンジニアリング」の事業で産業の高度化および社会インフラを支えています。近年は新たなソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」を提唱し、現場のデータを統合・活用することでお客さまに新たな価値を提供しています。
安川電機のニュースリリース:https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/news/628064